中国旅行  <北京 U>    2001・10・1

10月1日は「国慶節」で、きょうの予定の観光場所は相当な混雑やそこへ行くまでの道路の渋滞を考慮して、きょうも朝、7時15分、ホテル出発となった。

まず、天安門のすぐ裏手にある「故宮博物院」である。ここは、明清朝の栄枯盛衰を物語る“紫禁城”と呼ばれた世界遺産だそうである。

いまは、この紫禁城全体を博物館としているという。大きさは、南北960m、東西750m、面積72万uという広大な規模だという。

 

東門から入場した。一般的にはこの門は使用されないらしい、これも国慶節のために特別に開かれたらしい。ガイドさんが言っていた、「私も長年ガイドをやっているけど、この門から入るのははじめてです、皆さんのおかげです」。

北京のガイドさんは、張さん<チョ>といった。中国全体のガイドは銭さんで、北京専門のガイドが張さんらしい。銭さんは専門外ということか、おとなしくしていた。

ガイドさんにもそれぞれ専門があるようだ。

 

内部には、皇帝一族が日常生活を営んだといわれる宮殿が建ち並んでいる。そのなかでも、太和殿、中和殿、保和殿が三大殿といわれている。太和殿は黄瑠璃瓦の大屋根を持つ、中国最大の木造建造物だそうである。

皇帝の即位式、元旦、天子の誕生祝いなどの慶典、重要な国家式典をとり行う場であったそうである。

宮殿への階段は、大理石の一枚岩から彫り出した階段だということで、衝立があって一般の観光者は立ち入れない。別の階段を登るのである、大理石の階段を保護するためであろうから、致し方ない。写真を撮ったり、眺めたりするだけである。

 

故宮の裏門には、景山公園といわれる庭園があって、そこには、神武門がありここから出ることになった。じっくり観るには一日でも足りないといわれているのだから、2時間程度の観光ではアウトラインがわかった程度なのであろう。

それにしても、ガイドさんの案内や説明はわかりやすく、大昔の中国がどんなものであったのかが、おぼろげながらわかったような気がする。17年前はガイドさんなどいないで観て廻ったのであるから、何もわからずじまいであったのだ。

 

故宮裏門近くの休憩所で一休みすることになった。休憩所といっても、入り口は半間の狭い入り口である。要するに、中国人はシャットアウトの土産物屋である。なかは広いのである、掛け軸や陶芸品などを売っている。お茶は無料で自由に飲んでくれという。掛け軸などには関心がないので、お茶を飲んでいると、店員が見るだけでいいから掛け軸をみてくれといってくる。

これは、コピーではないという、「手書きだから触ってみてくれ」というから触ってみると確かに絵に凹凸があるのがわかった。そのうちに、「床の間は、一間ですか,半間ですか」と聞いてきた。「うちは、床の間がないからいりませんよ」

というと、やっとあきらめたらしい。

17年前に買った、掛け軸が所沢の家の物置に、いまだに巻いたまま埋もれていることをおもいだした。それでも、何人かのツアー客が買っていた。

安いものでも、1万円ぐらいはするようである。

 

故宮を出ると「天壇公園」に向う。バスで10分程度のところだが道路の混雑で、30分ほど要しただろうか。

天壇は、15世紀に創建され「皇帝の祭壇」として、明、清の歴代皇帝が、ここで五穀豊穣を天に祈ったといわれている。北天門と南天門をまっすぐに結ぶ道の上に園丘殿、皇穹宇、祈年殿の三大殿が建っている。そのなかでも特長のある殿は、祈年殿であった。てっぺんが番傘を広げたような形をした三層の屋根をもった建物で、瑠璃瓦の青が美しく印象的だった。

 

皇穹宇は祈年殿をひとまわり小さくしたような建物で屋根は一層である。この堂の周囲の土塀に口をよせてささやくと、反対側の端に立つ人にはっきりと聞こえるので、この壁を俗に「回音壁」といわれているそうである。ガイドさんの話しでは、この壁に自分の名前を刻んだりする者が絶えず、いまは柵を設けて壁に触れられないようになっていたが、何人かはこの柵を乗り越えてなかに入り、壁に口をつけるようにして、回音を試していたが、こんな騒々しい状態ではささやき声など聞こえるはずもないとおもわれるが、そんな言い伝えがあると一度は試してみたくなるのであろう。

 

ここを出ると、再び天安門近くのレストランで昼食である。どこでも、食事というと、あの回転テーブルで、そのテーブルにぞくぞくと料理が出てくる。昼も夜も同じである。今回は、広東料理ということであったが、一品にネズミのから揚げが出てきた。折角だから食べてみた、中国人が食べているのだから、食べられるだろうと考えた。

結構おいしかった。骨がついていた、ネズミのどの部分であろうか、もものような気もするが、骨がちょっと太いようだ、まあ、どこでもいいか、と特にはたずねなかった。そういえば、一昨日の夕食だったか、サソリのから揚げを食べた、全長3cmぐらいの一匹まるごとで、ちょっと気味が悪かったがおもいきって食べた、香ばしくてこれまた、まあまあなのである。でも、積極的には食べる気にはなれなかった。

 

きょうは、午後に上海への移動がある。また、飛行機に乗らなければならない。

上海では、夕食後、夜景で有名な「ワイタン」<外灘>に行くことになっているが、国慶節でもありどうなるのであろうか、ちょっと心配な気もする。

 

  「上海・蘇州」に続く
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