映画・「おとうと」
2010・2・12
2月8日に浜北にある「サンストリート」の映画館で、何十年振りかで映画をみた。
それが、吉永小百合主演、おとうと役が、笑福亭鶴瓶であった。監督は、渥美清の「男はつらいよ」の
山田洋次である。

この映画を観たあと、2月9日の静岡新聞夕刊に「吉永小百合の芸能記事が載っていたので、紹介し
たい。

「おとうと」主演の吉永小百合
  「けた外れの思い」表現

「結局、自分がその役を好きか嫌いかで、やるかどうかを決めていると思うんですよね」。
こう話す女優の吉永小百合の最新作は、「母べえ」<かあべえ>で組んだ山田洋次が監督
する「おとうと」。演じるのは奔放な弟に振り回される薬剤師の女性吟子役で、「大変な思いやつらい
思いをしながら、そんなことは表に出さず、自分の信じる道を歩いていく姿に引かれた」と言う。

「おとうと」は、1960年に公開された故市川崑監督の同名作品にオマージュをささげた作品。
「大人になった姉と弟をやりたいというお話だった。難しいと思う半面、どういうものになるか、大いに
興味がわきました」。山田作品は4作目。「超手作りのとても楽しい現場。仕事だが、そこにいろいろ
な発見がある。学ぶことが多いので、日々新しい気持ちになれる」と声を弾ませる。

東京で薬局を営む吟子の元に、役者をしているはずの弟鉄郎(笑福亭鶴瓶)が突然帰ってくる。
吟子の一人娘小春(蒼井優)の結婚式をめちゃくちゃにし、その後も自堕落な生活を送る鉄郎に吟子
は絶縁を言い渡す。平穏な日々が戻ったある日、大阪にいる鉄郎が救急車で病院に運ばれたと連絡
が入る。演じるに当たって「弟へのけた外れの思い」の表現に心を砕いた。
「落ちこぼれた彼を陽の当たる場所に連れて来れなかった後悔と、済まないと思う気持ちをしっかり出
したかった」。終末医療をめぐるシリアスな問題がクローズアップされる終盤は、自身の両親との別れ
を思い起こしながら演じたという。

映画は今昨が114本目。恋愛映画から社会派までさまざまな作品に出演したが、「まだまだ演じ足り
ない」と言う
。「どちらかというと自分に酔えないタイプ。一つの映画が終わったら反省ばかりで、次の
映画では少しでも良い役作りをしようと思ってしまう。その意味では欲が深いのかも」とほほ笑んだ。


以上

映画・「おとうと」
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