骨董よもやま話<郷土史会>
2009・1・17

きょうの郷土史会例会は、上島町内在住の青木榮冶氏の骨董に関するお話であった。
氏は、学校教師として長年にわたり従事してきたが、骨董屋になることが夢であったという。
そして、教師を退いて、今では骨董屋を開業しているという。

話の内容は
1、骨董とは何か?  言葉の由来、 骨董の中身
2、骨董収集の歩み  きっかけは臼探し、 骨董三昧の暮らし
3、骨董屋になりたい  ある青年の開業、 妻に打ち明ける
4、骨董屋修行    中部公民館での勤務、 店の建設 そして開業
5、3年目の今 おもうこと  骨董の魅力・骨董屋の楽しみ  骨董の未来

といったような内容のお話であった。
小学校の教師時代には、水泳部の監督をやったり、その中でも、いつかは骨董屋になる夢は
密にあたためていたという。奥さんにも打ち明けたが、何度か反対されたが、それを説得して
夢を実現したという。

確かに、骨董屋では食べていけないことは、ある程度わかっていたのであろう。幸い、教師は
20年も勤めると恩給がつくという、それで、骨董屋が実現できたらしい。
初めて買った骨董は、茶色い壺で、3千円で買って、今でもその時の感激は忘れられず、鉛筆
立てに利用して、毎日眺めているという。

骨董の楽しみは、素晴らしいとおもえるものに出会ったとき、それを自分のものにできた時だと
いう。高価なものとはかぎらないともいう。ご自分が、素晴らしいとおもっている壺を3点、机の
上に並べて、皆さん、気にいった順に順番を決めてくれと、言った!

1、濃い茶色の大きめの壺、2、濃い茶色の小さめの壺、3、薄茶の中ぐらいの壺、この三つで
あった。私は、3、を選んだ、40名ほどの会員は、見事に三つのグループに割れた。
このことが、氏を喜ばせた。ひとつの壺に好みが集中するよりも、自分が好きな壺が、多くの人に
満遍なく支持されたからであろう。

この三つの壺の概算価格が提示された。1、3、は10万円以上だという、2、はそれの三分の一
程度の値段だそうである。私には、とてもそのような価値は見いだせなかった。それは、価値観
の相違であるから、仕方ないことなのであろう。

三年ほど前に骨董屋を開業したという。店の名前が変わっていた、意味がわからなかった!
「いちまんぜ」というのだそうだ。これは、氏の小さい時の遊び場であった、馬込川の八幡瀬<は
ちまんぜ>という場所がある。今は、八幡瀬橋がかかっているあたりらしい、魚釣りや水泳をやっ
たり、土手の草をすべり降りたりして遊んだところだという。

その名前をいただいて、「はちまんぜ」では、恐れ多いので”八”ではなく、”一”にしたという。
それで、「一万瀬」、<いちまんぜ>としたそうである。
一万瀬は、字画が23画で、屋号としては、非常によい字画なのだそうである。

いずれにしても、骨董とは、よいものをみると元気が出る、気持ちよくなる、というのであるから、
私には理解できないが、よい音楽を聴いたりすると、私は、鳥肌が立ったりすることがあるが、
それに似た感動があるのであろう。人間を感動させるものは、人それぞれで、いろいろなものが
あり、それぞれ価値観の違いというのであろうか、骨董に感動できる人もいるのだ、と改めておも
い知らされた。
そんな、お話であった!

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